ギフトを探す

New Brand Interview! rit.

ノーザンソウルの流れる海辺の小さなクラフト工場発
カカオ豆ときび砂糖のみで作った
ビーントゥバーのヌードチョコレート

「カカオの木を栽培する人は、それがどんな食品になるのか知らない。」

「チョコレートを食べる人は、それがどんな工程で作られているのか知らない。」

なんだかちょっと悲しい現実ですよね。

”Bean to Bar”
カカオ豆の仕入れから選別、焙煎、コンチング、テンパリング、型入れ、包装、デザインワークまで、店内の工房で一枚一枚丁寧に仕上げる海辺の小さなクラフトチョコレート工場。 rit.craft chocolate and coffee(リタルダンド クラフト チョコレート アンド コーヒー)。

TheGiFTに参加いただけることになり、チョコレートの製作工程全てとカフェオーナーも手掛ける住居 尚さんにお話を伺ってきました。

広島市中区江波沖町の海辺に、雰囲気のあるおしゃれなクラフトチョコレート工場。

カフェでは美味しいホットチョコレートやそれぞれの産地別やカカオのパーセンテージが違うチョコレートの食べ比べができます。

2018年にオープンしたリタルダンド。
住居さんがチョコレートに惹きつけられたのは、カカオハンター小方真弓さんとの出会いだったそう。カカオに人生を捧げたと言っても過言ではない彼女のこだわりは「情熱大陸」や「クレイジージャーニー」などのテレビでも多数取り上げられるほど。
冒頭で「カカオの木を栽培する人は、それがどんな食品になるのか知らない。」と書きましたが、まさに原住民の方々は自分たちが何の一部を担って、人々にどう役立っているのか分からずに栽培しているという現実を知り、小方さんは、コロンビアに移住し、その方々の生活改善やチョコレートの品質改善のための指導、フィードバック。
と共に”皆さんに美味しいチョコレートを作って届ける”という凄いことをやってのけているのです。
そんな小方さんに心を動かされた住居さん。クラフトチョコレートマーケットやワークショップを廻り、バイヤーさんやカカオ農家さんとの独自のパイプを作っていき、今ではコロンビア、タンザニア、ホンジュラス、ベトナム、ドミニカ、デリーズ、、と各産地からシングルオリジンで豆の仕入れから全工程を一人で行なっています。

チョコレートが出来上がるまでの全工程。”Bean to Bar”(ビーントゥバー)とはカカオ豆からチョコレートバーになるまで一貫して製造を行うことを言います。

カカオの木は温暖な土地でカカオポッドという果実をつけます。茶色のものを目にしたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、赤、黄、緑など様々な色があるそうです。
農園ではまずこのカカオポッドを割り、開いて白いパルプに包まれたカカオ豆を取り出します。カカオは開くまで上質なものかそうで無いかは分からないそう。まさにトレジャーハントですね。
これを木箱に入れ、バナナの皮を被せて発酵させるそうです。この生豆がいよいよ海を越えて日本にやってきます。

Bean

厳選を重ね、リタルダンドにやってきたカカオ豆を、ひとつひとつ丁寧に、手作業で選別するところから始まります。欠けたり、発酵不十分なものを取り除くのです。

Roasting

カカオ豆の個性を見極めながら、それに最適な焙煎度合いで焙煎していきます。16kg単位の小ロットだからこそできる、豆の持ち味、風味を生かしながら、温度、時間を加減する職人技が光る手順の一つです。

 

Winnowing

カカオ豆を細かく砕きながらカカオニブと皮を分離していきます。振動しながら風力で薄皮を飛ばし、カカオニブの香りを最大限に引き出してゆくのです。

Melanging

カカオニブときび砂糖を合わせて石臼の様なもので挽いていきます。これも豆の性質を見極め、またどんなチョコレートにしたいかにより、あえて、ザクザク感を残した仕上がりにしたり、シルクの様に滑らかな舌触りにする為、3日間回し続けたりするそうです。

Blocking

ブロック状にして寝かせ、テンパリングをしやすくします。

Tempering

カカオ豆に含まれているカカオバターが結晶化することで、豊かな風味を閉じ込め、溶けにくく、パキッと割れる感触を生み出します。

ここで冷却され、リタルダンドオリジナルのレコード型、ピアノ型、カセット型、バー、と成形されるのです。

Wrapping

ビーントゥバーのこだわりチョコレートと聞くと、シンプルなパッケージを思い浮かべる方が多いかと思いますが、見た目にもかなりカッコいいのがリタルダンドのもう一つの特徴。
これも住居さん自ら行っていますが、なんと元グラフィックデザイナーだった経歴があるのだそう。
また、ノーザンソウル、モッズ、ヴェスパ、ランブレッタ、、と60’sのイギリスカルチャーに精通している住居さん。大好きなノーザンソウルのレコードジャケットや、旅からインスピレーションを受け、パッページデザインや店舗内装、インテリアの製作までしているそう。

Bar

こうして、たくさんの工程を経て、Bean(豆)からBar(チョコレートバー)の完成です。リタルダンドはシングルオリジンカカオ豆からチョコレートを作っている数少ないお店の一つです。
海辺の工場には、毎年、小学生が訪れ、どんなふうに作られているのかを見学しに来るそうです。原材料から製品になる全工程をぎゅっと見られることはなかなか無い貴重な経験ですよね。チョコレート の香りに包まれた店内で目を輝かせて、工場を覗いている様子が目に浮かびます。

さて、ここからは、味のお話です。私はここのチョコレート を食べて、初めてチョコレートが”果実”だったことを感じました。おやつとして食べ慣れたものとは似て非なるもの。
フルーツの香りのするもの。スモーキーな味わいのあるもの。ナッツの香りやまろやかさのあるもの。産地により様々ですが、
”どんなチョコレートになりたい?”
と本当にカカオ豆と対話をして、と最適なチョコレートに仕上げられて行きます。
誠実な人柄が表れた本当に美味しいチョコレートなんです。

また『NUDE CHOCOLATE』「ヌードが最も美しい」というコンセプトのもと、カカオ豆ときび砂糖の2つの原料で作った素材の良さを知って、全工程を手掛けているからこそ出来るシンプルな材料。54%,58%,64%,70%、、とチョコレートときび砂糖の割合により甘さも産地により変えているそう。
何度も試行錯誤し辿り着いた割合なので、お好みの味を探してみるのも楽しいですよね。


ワインにソムリエ、コーヒーにマイスターがいるように、チョコレートにも同様な資格が広がってゆきそうな、とても複雑で面白い世界です。私も食べ比べをしながら産地のお話を聞き始めたら一日中、いてしまいそうです。。

今、生産者と消費者を繋いだり、全工程を手掛け、丁寧に消費者に届けたりと”ものづくり”、”消費する”ということを改めて考える輪が広がっています。

大切な人に贈る、自分で味わって食べる、背景を知って選択することで良い循環の輪に入ることができます。また壮大なカカオ豆の旅の終着点にもなれますね。

rit.(リタルダンド)
カカオ豆本来の味と香りをゆっくり舌の上で溶かしながら、だんだんと現れてゆく変化をぜひ味わってみてください。

 

 

 

記事 ザギフト   ~ 贈りたい がきっと見つかる~ ギフト コンシェルジュ 平山 亜須香